2019年06月
幼少時代/アイビーズ加入前後/80年代 のトム・エバンス を少しだけ
トム・エバンス (1947年6月5日生)
☆グレース (トムの叔母)
「子供時代のトムはとてもいたずら好きで、ジョークや笑いが絶えませんでした。一緒に寝ていた夜、トムが私に噛みついたことがありました。彼は犬になった夢を見ていて、骨を見つけたので噛みついたと言っていました。トムは当時メガネを持っていましたが、それは常に隠していました。少し斜視だったため、話す相手の顔をまっすぐ見ることはほとんどありませんでした」
☆メイ・エバンス (トムの母)
「私の父はバンジョーやマンドリンが上手で、トムはとてもおじいちゃんっ子でした。会えばいつも一緒に話したり遊んだりしていました。トムの音楽への興味はおじいちゃんからの影響が強かったと思います。その日、"きょうはおじいちゃんにエバリー・ブラザーズの曲を弾いてもらうんだ” と楽しみにしているトムと一緒に父の家に向かいました。トムは当時エバリー・ブラザーズのファンクラブに入っていたんです」
「父の家に着くと、大騒ぎになっていました。父はやかんでお湯を沸かしたまま眠ってしまい、炎が服に燃え移ったようでした。私たちが着く直前、発見された時にはすでに亡くなっていました。トムは私の父を探して "おじいちゃん。おじいちゃん、どこ?" と言いながら走ってきました。9歳の時のこの出来事は、その後のトムの心に大きな影響を与えたようです。彼は自分の世界に閉じこもるようになりました」
☆ウィリー・ラッセル (トムの幼なじみ/劇作家)
「トムと知り合ったのは5-6歳の頃です。9歳の頃、レコードプレーヤーを買ったので、まだ持っていなかったトムがよく我が家に来るようになりました。トムはエバリー・ブラザーズが大好きで、私はバディ・ホリーが大好きでした。私たちはいつも一緒にいるようになり、トムのことを大親友だと感じていました。ところがある日突然、級友たちの前でトムが私のことをこっぴどくこき下ろしたのです。親友からのその行為に私はショックを受け、1年ほど絶交状態が続きました」
「1年経ち、トムとは以前のような友人関係に戻りました。私たちはライブに一度も行ったことがなく、14歳の時にそれほど好きな訳でもないシャドウズを一緒に見に行ったのが最初でした。その直後、年上の友人からキャバーンの存在を聞きました。すでに働いていたこの友人は、キャバーンのランチタイム・セッションによく行っているとのこと。キャバーンを知らなかったので調べてみると、学校に通っているので行けないランチタイム以外に、夜間営業もしていることがわかりました」
「トムと私は両親にキャバーンの名は出さず、ちょっと出かけてくると言うと、22時までに必ず帰宅するという条件で許可されました。その夜、今まで知らなかったビートルズの 'サム・アザー・ガイ' を見て、14歳の私たちの人生が変わりました」
「ビートルズを見たトムは Fホールヘフナーを買いました。彼のギターの腕はあっという間に上達し、ビートルズのようなバンド活動を始めました。私もギターを買い、その後ボブ・ディランを知り、自分にも曲を書けることを発見しました」
☆アイビーズ加入前後
「トムのバンド、カルダーストーンズを見に行ったよ。小柄な男が中央でギターを弾きながらほとんどの曲を歌っていたね。彼ならダイの後任としてアイビーズに合うと思ったよ。演奏が終わってからビル・コリンズと一緒に僕たちも挨拶に行ったんだ」--- ロン・グリフィス
「演奏中、長髪の人たちが入ってきたのに気づきました。リバプールではみんな髪は短くしていたので、変な人たちだと思ったのです。彼らは僕に、作曲に興味があるかと尋ねました。ビル・コリンズから "アイビーズは自作曲のデモをルボックスのテープレコーダーで録音しているので、もしも作曲に興味があるなら一度聴きに来ないか" と誘われ、彼らが住んでいるロンドンの住所を教えてもらいました」--- トム・エバンス
「当時の僕は、昼間は工場で働くセミプロのミュージシャンでした。ロンドンに出てプロになるとはいえ、週給7ポンドで見知らぬ人たちと一緒に生活するのは正直苦しいとも思いました。それでも、アイビーズの曲を聴くためにロンドンまで行ってみることにしました」--- トム・エバンス
「ロンドンの彼らの家でアイビーズが書いた自作デモを初めて聴き、気に入りました。それで僕も自作の 'グッド・タイムス・トゥゲザー' をルボックスで多重録音し、聴いてもらいました。彼らも僕の曲を気に入ってくれましたよ。その日はリバプールに帰り、自分の進路について考えました」--- トム・エバンス
「トムは最初、アイビーズからの誘いは受けないと言っていました。カルダーストーンズへの影響が大きすぎるからです。トムが移籍すれば解散の可能性もありますからね」--- メイ・エバンス
「週末の夫婦旅行から戻るとトムのメモがありました。 "母さん、ごめん。やっぱりプロのミュージシャンになるよ" 私はすぐにロンドンへ向かいました。ビル・コリンズからトムが働いていた工場を辞める話は既につけてきたと聞きました。このトムの選択は彼にとってよかったと思います」--- メイ・エバンス
☆1980年代/ゲーム
「1982年11月、バッドフィンガーの公演に行きました。彼らは午後3時頃到着し、ステージをチェックした後、バーに入って行きました。そこにはゲームコーナーがあり、ビデオゲームやピンボールが置いてありました。ゲームコーナーではトムとボブがゲームをしていました。両替してもらおうとバーテンのところへ行くと、そこにはマイクが座って何か飲んでいました。バッドフィンガーのマイクですか? と聞くと Yeah と答えました」
「両替してゲームコーナーに戻るとトムは 'ジャングルキング' をしていました。トムはプレイが終わると横にどいてくれました。僕が始めるとトムはそれを見ながら "うまい" とかいろいろコメントしてくれました」--- ブライアン (バッドフィンガーファン)
「僕とトムと交代しながら 'ジャングルキング' を数回続けました。その間、ゲームに関してのちょっとしたやりとりもありました。僕はこのゲームを以前からよくやっていたのでラッキーでした。ボブがやっていたのは 'スペースインベーダー' でした」--- ブライアン (バッドフィンガーファン)
「1980年代、公演前の空き時間にトムとマイクと一緒に 'パックマン' をやったことがあります。素晴らしい人たちで、マイクは 'グッドゲーム、メイト' と何回か言ってくれました。バッドフィンガーのショーも素晴らしかったです」--- ジョン (バッドフィンガーファン)